カテゴリー : 法律・制度

嘘をついてベネフィットをもらい続けた結果。。

今週のMETRO(第155回)。

イギリスでは、一般的に障害者はかなり優遇されている。(日本がどうなのかは知らないけど)

それが故に、それを目当てに、障害者と偽って申請する人が後を絶たない。

今回、記事になったのは、盲目と偽り、7年間にも渡って、総額4万2千ポンドものベネフィットを受給した強者。
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イギリスにおける同性婚を巡る論争

本日のMETRO(第81回)。

David Cameron faces revolt on gay marriage amid ‘loons’ row
(ペーパーのタイトルは「Tories face revolt on gay marriages amid ‘loons’ row」)

今日の一面記事はイギリスでも不動産バブルが弾けるとか何とか書いてあったが、最近不動産ネタ多いので、ちょっと毛色を変えて、7ページ目にあった同性婚に関する記事。

今年に入ってから議会にて議論されている同性婚を認める法案だが、今日(2013年5月20日)、Report stage(下院本会議)が実施される(これを書いている時点では、「された」が正しいのだが)模様で、デーヴィッド・キャメロン首相率いる保守党内でも賛否両論あるらしく、今回も揉めそうという内容。
(この記事は前日の日曜に書かれたものなので、記事上は明日となっている)
現在、イギリス国内では、同性同士の結婚は認められていないが、法的に異性間の結婚とほぼ同じ権利を持つCivil Partnership市民パートナーシップシビル・パートナーシップ)は認められている。

で、今回の法案では、同性同士の結婚を法的に認めようといういうものである。

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エモ、ゴス、パンクな人達を守れ!!

本日のMETRO(第65回)。

Emos and goths offered extra protection under new‘hate crime’ rules
(ペーパーのタイトルは「Emos and goths get hate crime protection」)

今日は久々に一面。

マンチェスターで、エモ、ゴスやパンクなどのサブ・カルチャーに属する人達に対して、新しくヘイト・クライム保護ルールが適用されると昨日発表されたらしい。

ヘイト・クライムというのは、あいつ、気にくわねーとか言って、集団でよってたかって暴力を振るう犯罪行為のことだが、一般的には、人種差別、民族差別、同性愛者差別、障害者差別などが原因で起こることが多い。

しかし、2007年、ランカシャーで当時20歳のゴスの格好をした女性が暴行によって死亡した事件をきっかけに、今回マンチェスター警察が他の地域に先駆けて、この新しいルールを採用したというのが今回の記事。

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イギリスにおける移民への規制強化がますます激しくなる模様

本日のMETRO(第59回)。

End of ‘something for nothing’? David Cameron announces benefits crackdown for immigrants
(ペーパーのタイトルは「Gales, rain and snow on the way」)

今日、イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相が今日どこぞの大学で移民規制に関するスピーチをしたらしいのだが、移民に対する取り締まりを強化するという内容だったようだ。

その背景にあるのが、今年一杯でルーマニアとブルガリアの規制が解かれ、来年早々に移民が大量流入してくることが予想されるということのようだが、当然それだけではなく、ここ最近厳しさを増している移民全体への規制強化が念頭に置かれている。

記事によると、主に以下のような変更がスピーチで言及されたようだ。
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メディア規制に便乗して記者を国会から締め出したい議員が実は・・・という話

本日のMETRO(第56回)。

Labour MP Jim Sheridan: Parliament should ban writers if they ‘slag off’ politicians
(ペーパーのタイトルは「Sticks and stones」)

昨日書いたメディア規制に関連のある話なのだが、今週月曜日に議会が第3者機関を設立してメディアを規制すると表明した直後に、労働党のジム・シェリダンという議員が、ついでに記者が国会に立ち入るのも禁止して欲しいと要求したというニュース。

イギリスでは、1771年から、国会に立ち入り、報道する許可が与えられているみたいだが、中には、あいつ太りすぎとか、カツラじゃね?などと議員の容姿について派手にコケおろすような下世話ネタをタブロイド紙の記事として書くような記者もいるようだ。

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イギリス政府によるメディア規制によって個人ブログは影響を受けるのか?

本日のMETRO(第55回)。

Bloggers ‘caught in newspaper crackdown’ as parties agree Leveson deal
(ペーパーのタイトルは「Bloggers ‘caught in newspaper crackdown’」)

今日は(1面に収まらず、4ページ目と5ページ目まで使って)やけに大々的な記事だなぁと思ったら、どうも昨日、イギリス政府が政府認定の第3者機関を使ったメディア規制に乗り出すということを発表したらしく、それがまた各新聞社にとって「寝耳に水」だったようで、(一番やばそうな)Metroさんも煽り立てている模様*笑

記事によると、政府によってメディアを規制する第3者機関が設立され、記事のせいで何か被害が出たりした場合に、そのメディアに対する強権を発動でき、被害者を守る役割を持つことになるという。

そして、各メディアが参加を表明しない場合、それだけで重い処置(罰金)が下される可能性があるとのこと。

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イギリス国内の家賃収入における脱税がハンパない件

本日のMETRO(第53回)。

Tax-dodging buy-to-let landlords hit us for £550m
(ペーパーのタイトルは「Tax-dodging landlords hit us for £550m」)

今日の一面はさすがのMetroも新しいローマ法王ネタだったのだが(ちなみに日本ではどういう扱いで取り上げられているんだろう?一応トップ記事?)、どうせ至る所でニュースになってるし、あえてここで書くまでもないような気がするので、もっと身近なネタをチョイス。

で、タイトルそのままなのだが、イギリスで個人で家を貸している家主の3分の1が、その家賃収入に対する税金を支払っていないという記事。

こちらではかなりよく聞く話なので、今更特に驚かないのだが、これによって5.5億ポンドの税収が失われており、昨今の緊縮財政に伴う様々なベネフィットのカットによる一般家庭へのインパクトを考えると、てめーら、ちゃんと払え!と言いたくもなる。
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アルコールの最低価格義務付けを巡る賛否両論

本日のMETRO(第52回)。

Ed Miliband mocks David Cameron over alcohol pricing: ‘Is there anything the prime minister can organise in a brewery?’
(ペーパーのタイトルは「Cabinet split ‘dooms alcohol pricing plan’」)

以前から話に上がっているアルコールの最低価格を定めるという案に対して、議会が割れており、撤回されるのでは?という憶測が飛び交っているという記事。

そもそも、なぜアルコールの最低価格を定めようとしているかというと、スーパーやオフ・ライセンス(酒は売ってるけど、パブと違って店内で飲めない=資格がない、という意味で、所謂コンビニみたいな店)で格安で売られているお酒のせいで、飲む量が増え、そのせいで人々の健康に害を与え、さらには、飲酒が原因の患者などが増えてNHS(病院)のリソースを圧迫している≒コスト増、ということで、その根本原因を断ってしまえということらしい。

専門家の分析結果によると、1ユニットあたり、45ペンスの最低価格を導入することによって、全体で4.3%飲酒量を低減させることができ、10年で2千人もの命を救える可能性があるとのこと。

ただ、この「1ユニットあたり45ペンスの最低価格」と言われても、それが何を意味するのかよく分からない、というか、1ユニットという単位そのものが我々日本人にとってはぴんとこないと思う。
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Twitterユーザに対して法的侮辱罪で初の法的措置が行使される

本日のMETRO(第44回)。

Twitter users warned they could face jail over James Bulger killer photos
(ペーパーのタイトルは「Jail warning over Twitter pictures」)

Twitter上で、20年前の殺人事件の犯人の写真をアップしたとして、複数のユーザが法廷侮辱罪にあたるとし、警告を受けたという記事。
(実際には、これから書面にて正式に法的な手続きが取られるとのこと)

20年前に2歳の幼児を虐待した挙句、殺害した、当時10歳だった二人が、2001年に釈放されたらしいのだが、当時まだ10歳だったこともあり、恐らくその後の生活に配慮して、違う名前を与えられ、生涯に渡って他人がその二人の身元を公表することを禁じるという命令が裁判所によって下されたらしい。
(その割りに、Webで事件当時の写真が堂々と公開されているんだが、面影とかあるだろうし、それはアリなの?と疑問に思ったり)

で、事件発生から20年が経過した先週、その犯人の一人が友達と誕生日パーティで撮ったらしい写真が、Twitter上でアップされ、リツイートされまくって拡散されてしまった模様。
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お前ら全員クビじゃ!陪審員の裁判官に対する質問が面白すぎる件

本日のMETRO(第42回)。

Chris Huhne’s ex-wife Vicky Pryce set for retrial as jury discharged after failing to agree on verdict
(ペーパーのタイトルは「Judge puts Pryce jury in the dock」)

元々は、元エネルギー・気候変動省大臣(と無理やり訳すと分かりにくいけど、英語だと、Secretary of State for Energy and Climate Change)のクリス・ヒューンChris Huhne)が2003年にスピード違反で捕まった際に、免停を逃れるために、当時妻だったビッキー・プライスVicky Pryce)が身代わりになったというのが発端。

で、昨日それに対する公判(今回の被告はヒューン氏ではなく、身代わりをやったプライスさんの方)が行われたのだが、陪審員がめちゃくちゃな質問を裁判官へ次々と投げかけ、ついに裁判官がブチ切れて、「てめーら、とっとと家に帰れ!」(とは言ってないが)と陪審員を解任し、新たな陪審員でまた月曜日に仕切りなおすという前代未聞な出来事が起こったというニュース。
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