イギリス政府によるメディア規制によって個人ブログは影響を受けるのか?

本日のMETRO(第55回)。

Bloggers ‘caught in newspaper crackdown’ as parties agree Leveson deal
(ペーパーのタイトルは「Bloggers ‘caught in newspaper crackdown’」)

今日は(1面に収まらず、4ページ目と5ページ目まで使って)やけに大々的な記事だなぁと思ったら、どうも昨日、イギリス政府が政府認定の第3者機関を使ったメディア規制に乗り出すということを発表したらしく、それがまた各新聞社にとって「寝耳に水」だったようで、(一番やばそうな)Metroさんも煽り立てている模様*笑

記事によると、政府によってメディアを規制する第3者機関が設立され、記事のせいで何か被害が出たりした場合に、そのメディアに対する強権を発動でき、被害者を守る役割を持つことになるという。

そして、各メディアが参加を表明しない場合、それだけで重い処置(罰金)が下される可能性があるとのこと。

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これに対して、昨日、各新聞社が「今朝BBCで報じられてたけど、うちらは最終的な議論の場に参加してないし、そんないきなり言われても、もう少しきちんと検証しないと、ちゃんとした回答は出せません」というような趣旨の共同声明を発表した模様。

まぁ、新聞社にしてみれば、自分たちの書きたいことに制限が加えられる可能性もあるし、単純に、「はい、分かりました」とはいかないだろう。

一応、政府は、この第3者機関はあくまで政府とは独立しており、当然言論の自由は守る、と主張しているようだが、実際はこの機関が強力な力を持つことになり、最悪、中国のように国によるメディア統制が実現可能となってしまい兼ねない。

と書いたものの、さすがに、ここイギリスで、そこまでは行かないとは思うが、この機関が力を持つことに対する懸念をIndex On Censorshipという団体も持っているようだ。

ちなみに、記事中に書いてあったが、どうもこれをGo aheadするのが月曜の午前2時半(つまり日曜の夜中)に決定されたらしく、「歴史は夜中の2時半に作られた」的な見出しが4-5ページに使われていた。

The Telegraphによると、メディアにこういう規制が入るのは、1659年に新聞に対するライセンス法が撤廃されて以来、約300年振りということで、お前、いつの時代やねん!という声が挙がっているようだ。

なぜ、政府はこんな強行をやったのか。

この規制が実現した場合に、一番うれしいのは誰か・・・それはつまり、新聞でよくやられてるのは誰か・・・

個人的に裏でロイヤル・ファミリーの力が働いているのではないだろうかと勘繰ってしまう。
特に最近、色々書かれているし・・・

あとは、政治家自身か、有名人か。

恐らく、その辺りのどこからか圧力がかかっているのではないだろうか。

と、まぁ、これだけなら、まぁ、Metroさん、がんばってね、という感じなのだが、その対象が割りと曖昧で、「sites containing ‘news-related material’」とか「anyone whose main audience is in Britain」などと書いてあるようで(実際のオフィシャルなドキュメントを読んだわけでないが)、想定する読者は日本在住者がメインとは言え、Metroさんと一蓮托生的な*笑、このブログも対岸の火事と言うわけにはいかないのでは?とちょっと心配になってきた。。

で、いくつか他の記事もチェックしてみたが、The Independentの以下の記事には、「新聞社だけでなくオンラインのニュース・メディアも対象として含まれる」と書いてある一方、「ブログや、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアは除外、特定の分野に特化した小さなメディアも対象外」ということらしい。

David Cameron insists plans for post-Leveson Royal Charter for press regulation will ‘work and endure’ despite hostility from newspaper groups (from The Independent)

また、下のThe Guardianの記事でも、それらしきことには触れられており、明確な定義はないのだが、とりあえず、個人ブロガーは対象外だと思われる。

Press regulation deal sparks fears of high libel fines for bloggers (from The Guardian)

あと、このサイトの記事もQ&A形式でまとめられており、なかなか分かりやすかった。

A ‘poodle’ with teeth: the new press watchdog explained (from The Week)

ただ、解釈の仕方で、どうとでも取れそうだし、正直よく分からん・・・というのが実際のところ。。

以下の、本件の元ネタとなっているレポート(Leveson report)に目を通せば、もう少し理解できるかもしれないが、今日そんな時間も気力も残ってないので、また後日時間があったら読んでみようかと。時間があったらね。。

Leveson report (from official-documents.gov.uk)

とりあえず、今後の動向に注目していきたい。
(恐らく日本人ブロガーでこんな心配をしているのは、自分だけではないだろうか*笑)

(2013年3月20日追記)
今日のMetroにも書いてあったが、どうやら、個人ブログは対象にはならない模様。
以下のBBC Newsの記事にも書いてあるが、以下の3つの条件に合致する場合、その対象になる模様。

Press regulation: Internet concerns expressed (from BBC News)

  • whether the publication is publishing news-related material in the course of a business(ビジネスとしてやっているか→No!)
  • whether their material is written by a range of authors – this would exclude a one-man band or a single blogger(複数の人が書いているか→No!)
  • whether that material is subject to editorial control(編集者の管理下にあるか→No!)

なので、個人ブログやTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアは「シロ」のようだ。

とりあえず一安心*笑

Listening to “Every Kingdom” by Ben Howard
B007CIQ4B2

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