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NHSがついに一部利用者に対して有料化へ

本日のMETRO(第132回)。

今日は、NHS(イギリスの国営医療サービス)の話。

イギリスでは、イギリス国民だけでなく、留学生などイギリスに滞在する全ての人に対して、無料の医療サービスを提供している。

よって、事前に登録さえしておけば、何かあった際に、無料で診断を受けられる。(ただし、薬は有料)

しかし、最近、財政難に苦しむNHSでは、コスト削減のためスタッフが削減されたりしており、その影響で救急病院であっても2時間以上待たされたりと、カオス状態が続いている。

そんな中、一部利用者に対して、利用料金を徴収する方針が発表された。
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NHSがナース不足で海外からの人材採用に必死らしい

本日のMETRO(第126回)。

今日はNHS(イギリスの国営病院)における人材採用について。

このブログでも、何回かNHSのA&E(緊急病棟)やヘルプラインにおけるカオスぶりを記事として取り上げたが、現在、NHSにてナース不足が深刻化しているらしい。

そのため、NHSでは、海外にてリクルート活動を実施せざるを得ない状況になっているようだ。
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イギリスで手術を受けるなら月曜日?

本日のMETRO(第85回)。

Why a Friday in August is the worst day to have an op
(ペーパーのタイトルは「Why a Friday in August is the worst day to have an op」)

最近、イギリス医師会雑誌(BMJ: British Medical Journal)にて発表された以下の論文によると、2008年から2011年の間、イングランド(”イギリス”ではない)のNHSの病院(ここに行けば、薬代以外は基本タダ(厳密にいうと違うけど))で実施された手術後の死亡率(30日以内)が、その手術実施曜日によって、変化が見られるという記事。

BMJ: Day of week of procedure and 30 day mortality for elective surgery: retrospective analysis of hospital episode statistics

記事によると、最も死亡率が少ないのが月曜日で、それから週末に向かうにしたがって、どんどん死亡率が上がっていき、最も最悪なのが、週末。

月曜日と比べると、および1.8倍も死亡率が高いらしく、許容できないレベルの差だということだ。

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NHSのヘルプラインがカオス状態に

本日のMETRO(第67回)。

NHS phone system 111 ‘is a chaotic mess’
(ペーパーのタイトルは「NHS phone system‘is a chaotic mess’」)

今日は一面記事。NHSのヘルプラインがアホな電話にまともに対応して、本来対応すべきまともな電話に対応できず、カオス状態になっているらしい。

このNHSの「111」ヘルプライン、基本的には緊急用の「999」にかけるほど深刻ではないが、医療アドバイスを求めたい時に利用することを目的としたサービスだが、システムで、あるキーワードでフィルタリングして、そのキーワードが含まれる場合、救急車の緊急出動が要請される仕組みになっているようだ。

ところが、実際のところ、このフィルタリングがうまく機能しておらず、例えば、16歳が電話をかけてきて、生理についての相談をしたところ、「血」という言葉が含まれていたので、救急車が手配されたとか、ブライトンでは救急車が行った先には、下痢した猫が待っていたとか、終いには足の巻き爪(食い込んだ爪)を訴えてくる人とか。。。

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救急病棟なのに、4時間以上待たされるってどうよ?

本日(と言いつつ、バレンタインデーだったので家で飲んだくれて書けなかったのと、次の日も飲んで眠くなったので二日遅れ)のMETRO(第37回)。

Emergency queues hit 10-year high with over 230000 patients waiting more than four hours to be seen
(ペーパーのタイトルは「Emergency queues hit 10-year high」)

イギリスでは、A & E(Accident and Emergency)と呼ばれる救急病棟で、ここ10年で待ち時間が最長となっており、問題になっているというニュース。
記事によると、2012年後半3ヶ月で、23万人以上の患者が4時間以上待たされるという事態になっているらしい。

で、これは人事ではなく、初耳でもなく、小さい子供を持つ自分にとっては、既に何度も経験済みのことであったりするので、「まぁ、そうだよね」という感じである。

イギリスの医療システムは、基本的に無料(と言いつつ、毎月NI(National Insurance)としてガッツリ収入から持って行かれるので厳密にいうとタダではないのだが)なのだが、まずGPと呼ばれる地域の街医者的なところで第一次診察を受けて、それで検査とか専門的な診断が必要になった場合に、大きな病院に紹介され、そこへ行くことになっている。
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