救急車避けたのに罰金ってどういうことよ?

今週のMETRO(第176回)。

車を運転したことがある人だったら、一度はサイレンを鳴らして猛スピードで突っ走る救急車やパトカーに出くわしたことがあると思う。

その場合、一般車は、緊急車両を先に行かせる義務があるので道路脇に寄って、道を譲ることになる。

これは、日本でもイギリスでもどこでも同じだと思うのだが、今回、そんな当たり前のことをしたのにも関わらず、事もあろうに罰金を請求されてしまったという話。

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Motorist who pulled into the bus lane to let a speeding ambulance on an emergency pass her is shocked to be given a £60 fixed penalty notice

(今週はDaily Mailより)

この話をする前に、まずはロンドンの交通事情を説明しておく必要がある。

まず、一般車両が平日にロンドン市内に入ると、コンジェスチョン・チャージ(混雑課金)という名の渋滞税を払う必要がある。

ただし、バスやタクシーなどの公共交通機関や、バイク(エンジンが付いているやつ)、ハイブリッドカー、電気自動車などはそれを払う必要がない。

なので、基本的に平日の日中のロンドン市内を走っているのは、バスやタクシー、あとは自転車などがほとんどである。
それでもやはり混むところは混むので、バスやタクシーなどの公共交通機関を効率よく運行するために、バスレーンなるものが用意されている。

このバスレーン、だいたい月から金、もしくは土曜の日中は、一般車両がそこを走ることを許されていない。

が、それを知らずに走る人が結構いるので、最近ではバスの後部にカメラを取り付けたり、道の至る所にCCTVが取り付けられ、バスレーンを走る一般車両の取り締まりが強化されている。
今回、記事になったのは、そのバスレーンに関するものである。

とあるドライバーが緊急車両を避けるために、そのバスレーンに入って、先に行かせたという当たり前のことをしたにも関わらず、後になって、60ポンド(今のレートで約1万2千円)の罰金通知がきたのである。

もちろん、当の本人はそんな見に覚えのない罰金通知に当惑することになるのだが、よくよく同封されていたCCTVの証拠写真を見ると、救急車を先に行かせるために、やむを得ずバスレーンに入ったというのが判明した。

当然ながら、そんなので罰金を支払うことになるなんて理不尽極まりない。

今回その罰金通知を受け取った人はカウンシル(市役所)にその件を問い合わせたのだが、まぁそんなのよくあることだし、もし不服なら、Appeal(異議申出)できますよ、と軽く返されたという。
いやぁ、もう、これ、ほんと、その情景が浮かびすぎて笑えてくる。。

というのも、実はうちの相方も過去に一度、全く同じことをやられたことがある。

その時も、証拠写真付きの罰金通知が届いたのだが、自分も相方も見に覚えがなく、しばし、「俺じゃねぇ」「私じゃない」論議が続いたあと、冷静に記録にある日時に各自何していたかを思い出したところ、その時間帯に相方が運転していて、パトカーが後ろからサイレン鳴らしてきたので、とっさに避けたのがバスレーンだったというオチだった。

そのレターには、もし不服なら、Appeal(異議申出)してください、と上のカウンシルの人が言ったことと全く同じことが書かれていた。

なので、その時はメールで事情を説明して、アピールをした。

で、それから3ヶ月くらい経った頃(もう完全に忘れた頃)に、アピールが通りましたので、あの件はなかったことになりました的な通知が届いたのである。

全くやれやれな話である。
なので、これは本当に”よくあること”なので、この記事に取り上げられた人も警告しているが、イギリス在住の人は、是非気をつけて、緊急車両を避けて欲しい。
(っつっても、あまり気をつけようがないかもしれないけど)

万が一、罰金通知が来ても、アピールすれば(それが事実なら)通るので、きちんとやること。

これに限らず、イギリスではあらゆるサービスがこんな感じなので、何事もそのまま受け入れずに、間違ったことがあれば、きっちり落とし前をつけることが、この国でうまく生きていく術であるように思う。

まぁ、イギリスに長く住み着いている人は、たいてい素でそれをやる人ばかりなので(たまに、そこまでやらんでも・・という人もいるけど)、あえてここで言うことでもないんだけど。

Listening to “Phantom Power” by Super Furry Animals
B00009RA99

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