ロンドンの英兵惨殺の犯人に立ち向かった勇敢な女性の話

本日のMETRO(第83回)。

Woolwich attack: Cub Scout leader Ingrid Loyau-Kennett plays down her brave actions

今日の一面(というか5ページ目までぶち抜き)は、ロンドンのグリニッジ(あの天文台があるところ)にあるウリッチWoolwich)で日中発生した英兵士惨殺事件。

さすがに日本でもニュースになっていると思うので、あまり詳細は書かないが、募金活動中の英兵士に車で突っ込み、その後、肉切り包丁でメッタ切りにしたらしい。

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それで、上の記事は、たまたま通りかかった一人の女性(カブ・スカウトの指導者らしい)が、さらなる犠牲者を出さないために、犯人を落ち着かせ、足止めさせようと、会話を続けたという勇敢な話。
彼女は、最初ただの交通事故だと思って倒れている人に近づこうとしたら、犯人が来て、「それ以上近づくな!」と言われたらしい。
で、よく見たら、大なたを手に持っており、血だらけだったらしく、そこでやっと気付いたようだ。

ただ、彼女自身は落ち着いていて、「ちょっと興奮していたけど、薬も酒もやってなかったし、私にとっては普通の人だった」とのこと。

これだけでもすごいのだが、さらに彼女は周囲の野次馬に危害が及ばないように、自分に犯人の意識を集中させるために、会話を続けるよう試みたのである。

犯人「触るな。俺がやつを殺した
女性「なんで?
犯人「やつはイギリスの兵士だ。やつは人々を殺した。やつはイスラムの国々のイスラム教の人達を殺したんだ
女性「分かった。それであなたの望みは?
犯人「爆撃が無差別にたくさんの女性や子供達を殺したんだ。。

近くには学校があり、子連れの母親たちがどんどん集まってくるのが見えたので、彼女はとにかく自分に注意をひきつけるために、彼と話して、彼が何を求めているのかについて耳を傾けるのが重要だと思ったらしい。

こんな状況で、よくそんな冷静でいられたなと感心する。

さらに、犯人は以下のようなことを主張していたようだ。
俺たちはアラーの神に誓う!戦い続ける!やつらが向ってくるなら、俺たちは立ち向かう。目には目を歯には歯を!
今日これを見た女性にはすまないと思っている。でも、俺たちの国でも女性たちが同じような光景を目にしてるんだ
お前らは安全なんかじゃない。政府なんてくそくらえだ。やつらはおまえらのことなんか気にしてない!

結局、その犯人二人は、20分後(遅すぎ)に到着した警察の手によって銃撃され、それぞれ病院に搬送されたとのこと。
いや、しかし、なんというか、色々と普通じゃないなと思う。

一人殺して、その場に居座って、カメラで撮って流せなどと言い、自分たちの主張を続ける犯人も犯人だし、その様子をツイッターなどで流す野次馬たちもある意味特殊である。

しかし、そこで冷静に犯人の話を聞いて、それ以上の被害を出させなかったこの女性には感服する。

イギリス人の女性はほんと強い。
被害にあったイギリス兵士の方のご冥福をお祈りします。

Listening to “Cabinet of Curiosities by Jacco Gardner
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