イギリスの小学校の通知表ってどんな感じ?

早くも7月後半。

イギリスの学校は基本的に9月始まりの7月終わりなので、ほとんどの子供たちは今週から夏休み、そして、学年の終わりとなる。

学年の終わりと言えば、通知表。

Gabyは今季でYear 1(日本で言う小学校1年生)が終わり、自分としてもイギリスの小学校の通知表を目にするのは初めてだった。
(実際は、学期が終わる1週間前にはもらってきてたけど)

で、せっかくなので、ここで、イギリスの小学校の通知表がどんな感じなのか、その内容を紹介したいと思う。

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Gabyがもらってきたのは、Annual School Report(通知表的なもの)、Attendance record(出欠記録)、それにYear 1 Phonics screening summaryというフォニックスの共通試験みたいなやつの結果(そんなのやったこと全く知らなかった・・)そして、来年のクラス担任の先生の名前リストが同封されていた。

中身は全てA4の紙で、全部で5枚。この辺り、日本で言う通知表という特別な感じではなく、まぁ、所謂レポート?という感じ。
で、まず、通知表は、以下の様な構成になっていた。

  • General Comments(先生からの総評)
  • Attitude to Learning(学ぶ姿勢について)
  • 主要科目のスコア
  • 主要科目のコメント
  • その他科目のスコアとコメント

最初の総評であるが、これがまたべた褒めである。
基本的にイギリスの学校では褒めるのが基本で、本当にダメなことをしない限り、咎められることはない。
そして怒る場合も、怒鳴るのではなく、そっと呼び出して、ドスの利いた声で静かに怒るので、マジで怖い(らしい)。

というのを差っ引いても、このべた褒めぶりは、家でのわがままっ子ぶりからは想像もつかない。
よそのママも同じようなことを言っていたので、よっぽどの子でない限り、同じ調子なんだろうと思われるが、例えば、こんな感じである。(あえて、訳さず、原文のままで)

Gaby is a very polite, popular and friendly girl and it has been a pleasure to have her in my class this year. She is an excellent role model for others and is always happy to help her peers and adults.

と、こんな感じのことが、ずらずらっと書いてある。(上が全体の3分の1くらい)

のっけから、「polite」とか書いてあるので、自分も相方も「いやいやいや」と笑いながらツッコミを入れていたのだが、どうも家と学校では全く別人のようである。
で、学ぶ姿勢について。

こちらは、文章量の中に「enthusiasm」という単語が2回も出てきたのだが*笑、それくらい熱心に取り組んでいたということらしい。

まぁ、普段から遊びも勉強も運動もやる気満々なので、なんとなく、これは想像できるが*笑
次に、主要科目のスコアだが、レポートでは、Reading(読み)、Writing(書き)、Mathematics(算数)の3つで、それぞれ以下のスコアがつけられていた。
(国がYear 1に求めているレベルが1b)

Year 1で求められるレベルより下 1c
Year 1で求められるレベル 1b
Year 1で求められるレベルより上 1a+

1a+というのは、1a以上ということで、例えば、2c(Year 2で求めれるレベルより下)、2b(Year 2で求められるレベル)という風に上がっていく。

今の日本の通知表がどういう形式なのか知らないが、自分の頃は、5段階評価だったので、それと比べると、あくまでナショナル・カリキュラムで求められるレベルに達しているかどうかに重きをおいたスコアリングのようである。

そして、Year 1だけにとどまらず、優秀な子であれば、Year 2や3の評価が与えられるのも、日本とは違っているところ。
(なので飛び級という制度が普通に成立するのかもしれない)
そして、その後に以下の主要科目のコメント、およびYear 2に向けての目標が書かれているのだが、これがまた結構な文章量でびっしりと書かれている。
(各科目につき、総評と同じくらいの分量。)

  • Writing
  • Speaking, Listening and Reading
  • Mathematics
  • Science

ちなみに、ここでも「enthusiasm」という単語が出てきたのだが、どんだけお前やる気あんねん!と*笑
最後に、以下の科目について、こちらは4段階(A/B/C/D)のスコアと、簡単なコメント。

  • Music(音楽)
  • Computing(コンピューティング)
  • Creative Curriculum(図工)
  • PE(Physical Education)(体育)
  • RE(Religious Education)(宗教)
  • French(フランス語)

ちなみに、ここでも「enthusiastically」という単語を2つほど発見した*笑

あと、上のコンピューティングだが、評価Aでコメントが以下の様な感じだったので、まぁ、たいして小難しいことをやっているわけではないと思われる。

Gaby is able to turn a computer on and shut it down at the end of a session, and is able to use the mouse effectively.

通知表の最後に、このレポートについて何かディスカッションがしたい場合は、担任の先生にアポを取ってくださいと書いてあったが、コメントを読む限り、それほど心配することもなさそうなので、何もしていない。(というか、単にやる気がないという話も。。)
次に、出欠表だが、これは淡々と1年の出席状況をリストにしてあって、欠席の場合、その理由が細かく(20種類くらい)定義してあり、それが分かるようになっている。
例えば、以下のような欠席理由がある。

  • Family holiday (not agreed)
  • Holiday in Exceptional Circumstances(agreed)
  • Religious observance
  • Educational visit
  • Work experience

どうやったら、Exceptional CircumstancesなHolidayを勝ち取れるのか不明だが、グラストなんかは間違いなく、Not agreedになってしまうだろう。。
(グラスト期間は普通に学校やってるので、グラストにいる年頃の子供達は学校をサボって休んで来ていることになる)

Religious observanceというのは、たとえUKでは祝日でなくても、その生徒が信仰している宗教的な祝日や行事で休むことが許されており、色んな国や宗教の人がいるイギリスらしい理由である。

尚、説明によると、国的には95%の出席率が求められるらしい。

95%割ったらどうなるのかは知らないけど。。
最後に、Year 1 Phonics Screeningだが、これはナショナル・カリキュラムで定められた統一試験のようなものらしく、フォニックスに関する知識を問うもので、Readingスキルを図るものとは別のようだ。

試験は40点満点で、10点毎にレベル分けされる。

例えば、10点以下の場合、以下の様なレベルになる。

Your child knows some letter names and sounds but needs further reinforcement in using and applying thier phonic skills in independent reading in order to meet the required standard.

ちなみに、32点から40点満点の場合、以下のような説明になっていた。

Your child is consistently using phonic strategies to blend sounds and read unfamiliar words and has met the required standard.

Gabyさんは、めでたく一番上のランクに入っていたのだが、今考えると、これは素晴らしい結果なのではないかと思う。
というのも、うちは両方共日本人なので、家では基本的に日本語だし、家で宿題の手伝いをすることはあっても、まともに教えたことはない。(つか、教えれない・・)

なので、学校で「enthusiastically」に頑張った成果がこの結果なのだと思うと、親としてはもっと褒めて上げるべきだったのかしれない。

まぁ、本人は友達とも仲良く、前向きに楽しんでやっているようなので、それが一番なんだけど。

Listening to “Love Songs for Robots” by Patrick Watson
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