NHSがついに一部利用者に対して有料化へ
本日のMETRO(第132回)。
今日は、NHS(イギリスの国営医療サービス)の話。
イギリスでは、イギリス国民だけでなく、留学生などイギリスに滞在する全ての人に対して、無料の医療サービスを提供している。
よって、事前に登録さえしておけば、何かあった際に、無料で診断を受けられる。(ただし、薬は有料)
しかし、最近、財政難に苦しむNHSでは、コスト削減のためスタッフが削減されたりしており、その影響で救急病院であっても2時間以上待たされたりと、カオス状態が続いている。
そんな中、一部利用者に対して、利用料金を徴収する方針が発表された。
Health tourism: £200 migrant ‘tax’ to raise £200m for NHS
(ペーパーのタイトルは「£200 migrant ‘tax’ to raise NHS £200m」)
記事によると、6ヶ月未満の短期滞在者に対しては、イギリス滞在時にNHSを利用した場合、200ポンド(今のレートで3万2千円弱)が徴収されることになるらしい。
また、留学生(こちらも恐らく6ヶ月未満)に対しては、150ポンド(2万4千円弱)が利用料金として課せられるとのこと。
これらのある意味”移民税”とも言える徴収により、年間5億ポンド(800億円弱)以上の収入が見込めるようだ。
医療担当大臣であるジェレミー・ハント(Jeremy Hunt、日本で英語教師を務めたことがあり、日本語が堪能らしい)の話では、「イギリスの無料の医療サービスは世界中でうらやましがられるが、システムは納税者にとってフェアでなければならない」ということである。
また、「NHSは、”National” Health Serviceであって、”International”なサービスではない」とも。
この背景にあるのは、国外から、無料で治療を受けにくる「health tourists」なるツワモノがいるらしく、そういう輩のせいで、納税している国民がちゃんとしたサービスを受けられていないという事実である。
ただ、そういうイギリス人も、国内の歯医者(プライベート)がバカ高いからといって、相対的にかなり格安な東欧に、わざわざ歯の治療に行ってたりするし、おあいこという気がしなくもないが。。
そうは言っても、まぁ、こんだけ破綻しかけているNHSのシステムを立て直すには、このぐらいしないともうダメなのだろう。
実際、がっつり払ってるにも関わらず、病院で理不尽に長時間待たされる身からすると、「そーだ、そーだ!」と賛同の声も上げたくなる。
ただ、イギリス医療組合はこれに対し、対象となっている短期滞在者がNHS予算に大きく影響を与えているというちゃんとした証拠はないと反論しているが、実際のところはよく分からない。
しかし、留学生にとって150ポンドというのはかなり痛い出費になってしまうのは確かだ。
個人的な経験から言うと、この場合、日本で海外旅行保険に入っておくことをオススメする。
自分も留学時代は、保険に入っていたが、こちらでは日本の病院もあり(先生が日本人なので症状も日本語で説明できるので安心)、保険を適用すればキャッシュレスで受診が可能だ。
この場合、病院と保険会社間で勝手に支払手続きを済ませてくれるので、手元にキャッシュがなくても診察を受けられるので、何かあった時に非常に助かる。
とにかく、今後留学予定のある人はご注意を。
Listening to “Little French Songs” by Carla Bruni
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