ロイヤル・メールの民営化に伴う騒乱

本日のMETRO(第130回)。

今日は、ロイヤル・メールの民営化に関する話。

ロイヤル・メールと言えば、イギリスの郵便事業を担う国有の事業会社だが、今月11日にロンドン証券取引所に上場し、民営化されたばかりである。

上場後、初値は公開価格(3.3ポンド)に対して、36%高の4.5ポンドとなり、かなり投資家の注目を集めた。

そんな中、実際にそこで働くスタッフが、今回の民営化に対して、ある行動を計画している。

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Postal workers to strike over Royal Mail sale

(ペーパーのタイトルは「Worried posties to strike against private Royal Mail」)

Communication Workers Union(CWU、イギリスにおける通信業界の組合)によると、ロイヤル・メールで働く78%のスタッフが、11月4日にストライキを実施することに賛成しているようだ。

なぜか。
今回の民営化に伴い、15万人の従業員に対して、2200ポンド相当の株式を分配したらしい。
(ただし、3年間は売却できない)

しかし、現場で働くスタッフにしてみれば、そんなことはどうでもよくて、今後ちゃんと仕事をクビにならずに続けていけるかの方がよっぽど問題のようである。

確かに末端で働く人にしてみれば、国有化されてようと、民営化されようと、やることは変わらないわけで、民営化に伴う投資家へのリターンなんぞ、知ったことではない。

そういう人たちにとってみれば、今の仕事を続けられる(つまり、毎月ちゃんと給料が入ってくる)方がよっぽど重要なわけで、これは致し方ない。
民営化となると、やはり利益を追求することになるので、どんどん合理化していかなければならない。

そして、スタッフが懸念しているのは、仕事を外注したり、もっと給料の安いスタッフを雇ったりして、自分達がお払い箱になるのではないかということである。

まぁ、至極真っ当な懸念である。
ストをどう回避するかは、今後、両者の間でどういう落し所を見つけられるかにかかっているが、とにかく、ただでさえちんたらやっている郵便業務が、さらに滞ることだけは避けて欲しいと願うばかりである。

Listening to “Hello Land!” by Guillemots
B00814RR9O

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