現代の勤務体系に合った新しいタイプの定期券が来年導入予定らしい
本日のMETRO(第115回)。
Part-time season tickets to be introduced next year
(ペーパーのタイトルは「Part-time season tickets to be introduced next year」)
今日は電車の定期券の話。
サービスの質は一向に上がらないのに電車賃のみがひたすら上昇し、非難轟々なことはこのブログでも何度か扱ってきた。
特に遠距離通勤の人は、定期券(Season ticket)の額がハンパでない。
郊外に住めば家は安くなるが、その分この定期代が高くつくので、このトレードオフの中でどこに住むかを選択する必要がある。
そんな中、新たなタイプの定期券が導入されようとしている。
それが、パート・タイム・定期券(Part-time season tickets)である。
通常、定期券と言えば、期間で買って、その期間中は、使おうが使うまいがその使用頻度は関係ない。
これは日本も同じ。
ただ、こちらでは、オフ・ピークとピーク時で電車賃が違う。
つまり、通勤で混んでいる朝と夕方は値段が高く、比較的空いているそれ以外の時間帯は値段が低く設定されている。
そして、定期券の場合、このオフ・ピーク、ピーク関係なく一定の値段になる。
よって、フルタイムで働いている人は、たいてい平日の週5、9時5時なので、ピーク時に電車に乗ることになり、定期代の元は取れる。
というか、そういう値段設定になっている(はず)。
しかし、これがそうでない場合、例えば、週3で10時3時とか、シフト勤務などの場合、せっかく買った定期券をフル活用できるかというとそうではない。
この新しいタイプの定期券は、こういう中途半端な勤務体系、つまりパート・タイムで働いているような人たちのために設計されているようである。
なぜ、このようなタイプの定期券が導入されようとしているかというと、少し前にこのブログでも取り上げたように、不景気のせいで、フルタイムではなく、パート・タイムで雇用する企業が増えているというのが背景にあるのではないかと思う。
(「失業率は下がったようだが、果たしてイギリスの景気は回復しているのか?」参照)
また、このある程度柔軟性の高い定期システムの導入により、フルタイム勤務の人でも、自宅勤務を促し、通勤電車の混雑を軽減するという副次的効果も見込んでいるようだ。
確かに、職種によっては、別にオフィスにいる必要はなく、普段は自宅で、必要な場合に出社すればよいという場合もあると思う。
ただ、この場合でも、結局、定期を買うハメになるので、金銭的メリットはあまりない。
というか、電車に乗っていないのに、その代金を支払っていることになるので、むしろ、損をしている。
と、書いていて、ふと思ったが、日本ではだいたい会社が通勤費を支給してくれる場合が多いと思うので、あまりこういうことを考えなくていいんだよな。
イギリスの場合、そういうシステムがないので、基本的に自腹。
それが遠距離となると、定期代だけでも、年間数千ポンド(数十万円)となってくるので、これは、かなりの死活問題なのである。
イギリスの運輸大臣であるノーマン・ベッカー曰く、「勤務体系が、古い時代に作られた交通機関の定期システムに縛られることがあってはならない」ということらしいが、確かにそうである。
なので、こういう、ある種Pay as you go(使った分だけ払う)に近い形の定期システムが導入されれば、違った勤務体系を考慮しようという機運は生まれると思うし、価値はあると思う。
尚、この新しいタイプの定期は、オイスターカード(日本で言うスイカみたいなやつ)と似たようなスマートカード技術を使ったものになるらしく、来年、ロンドンの主要な路線で、試験導入を目指しているという。
ロンドンへ遠距離通勤している人、パートタイムで働いている人は要チェックである。
(本日のiTunes Festival出演アーティスト)
今日はクラシック・・というか、なんというジャンルなんだろう、これ。こんなのもやってんのね。
Listening to “Einaudi, Giani-Luporini, Nicolau, Boccadoro, Cardini, Castellano, Solbiati & Bussotti: Works For Bassoon And Other Instruments” by Paolo Carlini
Amazonになかったので、Spotifyのリンク貼り付けとく。
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