ジブラルタルを巡るイギリスとスペインの攻防

一日遅れの本日のMETRO(第104回)。

Spanish police officers ‘pelted by missiles’ at Gibraltar border checks
(ペーパーのタイトルは「Police ‘pelted by missiles’ at Gibraltar border checks」)

今日は珍しく国際ネタ。

バックグラウンドを知らない理解できないと思うので、記事に入る前に、ざっと説明しておく。

日本人であれば、ジブラルタルといえば、ジブラルタル海峡を思い出すだろう。
でも、ジブラルタルって何?という人も多いと思う。

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ジブラルタルは、スペインのイベリア半島南端にあるイギリス領で、18世紀からイギリスによって占領され、今でもイギリス軍が駐屯している。
スペインは領土返還を求めてきたが、地中海の出入り口という戦略上重要なポイントであるため、イギリスも手放す気はなく、両者間で争いが長年にわたり繰り広げられている。
それで、8月に入り、ジブラルタル政府が、その周辺海域にコンクリートのブロックを沈め、漁礁(artificial reef)の建設を開始した。

これが、スペイン漁船に対する妨害だとスペイン側が反発し、報復措置として、ジブラルタルとスペインの国境の検閲を強化したのである。

さらに、国境を通過する際に、50ユーロ(今のレートで、6500円弱)の通行税を徴収、そしてジブラルタル発着航空機のスペイン領飛行禁止の措置も検討しているようだ。

そんなこんなで、一番迷惑こうむっているのは、スペインのアンダルシア地方に住み、ジブラルタルに通勤しているような人たち(だいたい8000人と言われている)。

ロンドンのヒースロー空港の入国審査を経験したことある人は分かると思うが、この手の検閲は、並んでるからやめようとか、他行こうという選択肢はなく、とにかく待たされ、その間どこに行くこともできず、とにかくうんざりする。

しかも、今回の場合、真夏のスペイン南部ということで、聞いているだけで汗がじっとり出てきそうだが、そんな炎天下の中、4時間以上も待たされ、家に帰りたくても帰れないという事態になっている。
そして、やっと今日の記事にたどり着くのだが、そんな事態に業を煮やした人たちが、検閲をしているスペインの国境警備の人たちに石(missileと書いてあるけど、恐らく石か何かの意味だと)を投げたというのだ。

いやぁ、気持ちは分かるなぁ。。

尚、これに対して、イギリス政府は、我々とジブラルタルは、300年間強固な関係を築いてきた、と一歩も引かない構えのようだ。

果たして、どうなることやら。
ちなみに、この手の領土問題は、最近では日本、韓国、中国間でも問題が再燃しているように、世界中にあるのだが、イギリスは大英帝国時代にあちこちに植民地を作っているため、こういう海外領土が他にもあり、これ以外にも色々と問題を抱えていたりする。

フォークランド諸島(元アルゼンチン領)もそのうちの一つだが、今年に入ってアルゼンチン領への帰属をめぐる住民投票(投票率92%)が行われたが投票者の99.8%がイギリス領であることを望んだようだ。

まぁ、アルゼンチンも経済が破綻しかけているし、これはこれで素直な反応と言えるかもしれない。
どうでもいいが、「ジブラルタル海峡」と言えば、「風雲たけし城」を思い出す人も多いと思うが(若い人には分からないだろうけど)、このたけし城、フランスなどヨーロッパで結構放映されているらしく、語学学校時代に、フランス人に「Takeshi’s Castle」知ってる?と聞かれ、びっくりした記憶がある。

色んな意味で懐かしい。

Listening to “Chill Out Music” on Spotify
(下のリスト、オススメ。8曲しか表示されてないけど、実際には40曲くらいあります。)

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