Twitterユーザに対して法的侮辱罪で初の法的措置が行使される

本日のMETRO(第44回)。

Twitter users warned they could face jail over James Bulger killer photos
(ペーパーのタイトルは「Jail warning over Twitter pictures」)

Twitter上で、20年前の殺人事件の犯人の写真をアップしたとして、複数のユーザが法廷侮辱罪にあたるとし、警告を受けたという記事。
(実際には、これから書面にて正式に法的な手続きが取られるとのこと)

20年前に2歳の幼児を虐待した挙句、殺害した、当時10歳だった二人が、2001年に釈放されたらしいのだが、当時まだ10歳だったこともあり、恐らくその後の生活に配慮して、違う名前を与えられ、生涯に渡って他人がその二人の身元を公表することを禁じるという命令が裁判所によって下されたらしい。
(その割りに、Webで事件当時の写真が堂々と公開されているんだが、面影とかあるだろうし、それはアリなの?と疑問に思ったり)

で、事件発生から20年が経過した先週、その犯人の一人が友達と誕生日パーティで撮ったらしい写真が、Twitter上でアップされ、リツイートされまくって拡散されてしまった模様。

スポンサーリンク

そして、それに便乗して、全然関係のない人の写真なども拡散され、無実の人間が犯人と間違われる可能性も出てきているらしい。

これに対して、法務長官が昨日声明を発表し、裁判所命令を破ったとして、写真をアップ、拡散したユーザに対して、法廷侮辱の罪で、法的手続きを開始すると宣言した。

法廷侮辱罪が適用されたケースは、ソーシャルメディア上、初めてらしいのだが、専門家によると、ソーシャルメディアでも、旧来のテレビや新聞などのメディアと同じ法律が適用されてしかるべきとコメントしており、皮肉にもこの事件が、ソーシャルメディアが他のメディアと同等と社会的に認識されるきっかけとなってしまったとも言える。

尚、警察からも、Twitter、Google、Facebookの大手ソーシャルメディア企業に対して、写真を削除するように命令が下ったらしい。

が、今回の事件で、少なからず、周囲の人は、その事実に気付いただろうし、これからの人生に影響を及ぼすであろうことは想像に難くない。

ただ、その写真を公開された犯人は、実は2010年に、別の罪(子供のわいせつな写真をダウンロードして、拡散させたらしい・・・)で捕まって最近刑務所から出てきたばっかりらしく、一番多感な頃を刑務所で過ごしたということ自体、そもそも本人の人格形成上、影響がないはずがない。

この記事を読んで、最初は、いくら子供だったからといって、人の未来を奪っておいて、そんなすぐに釈放されるの?と疑問に感じたのだが、それで本人の罪の意識が消えるわけではなく、名前が変わったからと言って、別人になれるわけでもなく、結局それはずっと死ぬまでついて回るんだろうなと考えさせられた。

が、上の記事の最後のほうに、ショッピングセンターで誘拐されたという被害者の2歳児に対する犯行の様子が細かく描写されているのだが、同じ2歳児を持つ父親としては、読むに耐えなかった。

もし、自分が被害者の父親だったら、この犯人を許すことはできないだろう。
(被害者の母親は、生涯身元の公表を禁じるという裁判所命令に反対している)

と、暗く重い記事になってしまったのだが・・・この記事のメインはソーシャルメディアなので話を元に戻すと、拡散能力に関してはTwitterが群を抜いているだけに、悪意を持った人に、誤った使い方をされた場合、非常に怖い負の側面(制御不能に陥るという意味で)を持っているということを改めて認識させられた。

ただ、この事件が、今後、ソーシャルメディアに対する法整備がぐっと進むきっかけになるであろうことは間違いないと思う。

そして、それがユーザにとって、必ずしも良い方向に向かうという保障はないということも認識しておきたい。(特に自由度という面で)

Listening to “Inni” by Sigur Ros
B005ML1VPK

スポンサーリンク